ハンガリーの政変がブダペストを越え、欧州の暗号資産規制の核心にも波紋を広げた。野党指導者ペーテル・マジャール氏と親EUのティサ党が、ビクトル・オルバン首相による16年にわたる政権を終わらせるという驚きの選挙結果である。
この結果は、欧州で最も物議を醸してきた暗号資産規制の一つを崩し、暗号資産市場規制(MiCA)に基づくEU全体ルールの適用方法を転換させる可能性がある。
早期の情勢分析では、ティサ党が圧倒的な議会多数を確保する見通しとなり、オルバン氏も敗北を認めたと報じられている。
この結果により、長年続いた法の支配や経済政策を巡る欧州連合との緊張を転換し、ブリュッセル重視の政治的方向転換となる。
政治アナリストのイアン・ブレマー氏は「ハンガリー国民にとって歴史的勝利」と投票結果を評し、オルバン氏の実績を厳しく批判した。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、EU機関との再連携への期待を示唆した。
オルバン政権下のハンガリーでは、取引所に特別認証の取得を義務付ける厳格な「認証」制度と、違反に対する刑事罰を定めていた。これらは調和のとれたMiCAの枠組みを超えた措置との見方が強い。
欧州委員会は既に、こうした追加規制に対し、ブダペスト政府相手に違反手続きを開始していた。
今後、マジャール氏主導の政権では、これらの規制が撤回され、EUとの対立が解消し、規制の明確化が進む見通しもある。
2025年の規制強化時にハンガリーでの暗号資産サービスを一時停止したRevolutのような業界大手も、規制撤廃により市場再参入の可能性が高まる。
この転換は、暗号資産の予測市場におけるセンチメントも裏付ける結果となった。Polymarketでは、トレーダーがオルバン氏の勝利に否定的なポジションで数百万ドル規模の賭けを行い、結果が固まる中でその予測が的中した形となった。
ハンガリー国内を超え、今回の結果が加盟国のMiCA単一ルール運用に影響を与え、EU主導の統合デジタル資産市場の推進に弾みをつける可能性もある。
最終結果や新政権発足まで今後の流れを要するが、オルバン氏の政権崩壊は、ハンガリーの体制変更にとどまらず、欧州全体の暗号資産規制地図を塗り替える動きとなりそうだ。


