米ワシントン州レドモンド拠点の宇宙データセンタースタートアップ、スタークラウド(Starcloud)のCEOフィリップ・ジョンストン氏は8日、YouTubeチャンネル「HyperChange」でのインタビューおよびX投稿を通じ、2026年中に打ち上げる第2衛星「スタークラウド2」にビットコイン
BTC採掘用ASICマイナーを搭載する計画を明らかにした。
宇宙でのビットコイン採掘をジョンストン氏が有望視する根拠は、エネルギーと機器コストの構造的な差にある。GPU(グラフィックス処理装置)は1キロワットあたり約3万ドル(約476万円)のコストがかかる一方、ASICは同約1,000ドル(約16万円)にとどまる。地上の電力費を軌道上の太陽光発電で代替できれば、さらなる圧縮が可能だ。
「ビットコイン採掘は地球上で年間約20ギガワットを継続消費している。これを地上で行う合理的な理由はなく、最終的にはすべて宇宙で処理されるようになる」とジョンストン氏はインタビューで述べた。ただし同氏自身も、現行のASICは安価な電源であれば地上でも稼働するため宇宙採掘の経済合理性はまだ不確かだと認めている。収益性の実証は今後の課題だ。
スタークラウドは2024年初頭に創業。同社は2025年11月、スペースXのロケットで「スタークラウド1」を打ち上げ、軌道上でのNVIDIA H100 GPU稼働を世界で初めて実現した。同年12月には宇宙空間でのLLM(大規模言語モデル)訓練にも初めて成功している。なおエヌビディアが出資しており、エリック・シュミット氏やアンドレイ・カルパシー氏らも支持を表明している。
打ち上げ予定のスタークラウド2は2026年10月を目標とし、太陽光発電能力は第1衛星比で100倍規模となる見通し。また米連邦通信委員会(FCC)には最大8万8,000基の衛星運用許可を申請済みだ。
宇宙でのBTC採掘を目指す企業は他にも存在する。インターコスミック・エナジーが同分野の開発を進めており、スタークラウドとの競合構図が形成されつつある。
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