ビットコインとイーサリアムのオプション計約25億ドル分が20日、満期を迎える。足元では上昇を見込むポジションが優勢とみられる一方、急落に備えたヘッジも積み上がっている。月末にかけて価格変動率(ボラティリティ)が高まる可能性があり、市場参加者の警戒感は強い。
表面上はコール(買う権利)優位で強気の構図が目立つ。ただ、建玉(オープン・インタレスト)の内訳をみると、現物価格を大きく下回る4万ドルの権利行使価格に建玉が集中している点が異彩を放つ。相場急変に備えた下値リスクへの警戒が、依然としてくすぶっていることを示唆している。
ビットコインは現在約6万7271ドルで推移し、最大損失点(マックスペイン)は7万ドルに設定されている。オープン・インタレストはコールが1万9412件、プットが1万1044件で、プット・コール比率は0.57。全体として上昇傾向を示す。期限を迎えるオプションの想定元本は約20億5000万ドル。
イーサリアムも同様に建設的なバイアスを示しているが、よりバランスが取れている。ETHは1948ドル付近で取引されている。マックスペインは2025ドル。
コール(12万4109件)がプット(9万17件)を上回り、プット・コール比率は0.73。想定元本は約4億1700万ドル。
マックスペインとは、最も多くのオプションが無価値で失効し、買い手への支払いが最小化される価格帯を指す。
BTC、ETHともに現在価格はマックスペイン下にあり、満期にかけてこれらストライクに価格が近付けば、オプション売り手の損失が低減される可能性。
表向きは強気なバイアスが目立つ一方、4万ドルに巨大なプット集中が生じており、市場の注目を集めている。
ビットコインの4万ドルプットは、現在オープン・インタレストで2番目に大きいストライク。想定元本は約4億9000万ドル相当。これはビットコインが直近高値から急落したことを受け、ヘッジ需要が再編された結果。
要するに、トレーダーは上昇サイドにもポジションを取っているが、新たなボラティリティ・ショックを排除する姿勢ではない。
こうした動きから、ビットコインのデリバティブ市場における大きな変化が示唆される。オプションが方向性のベットやイールド戦略、ボラティリティ管理に活用されている。
アナリストのジェフ・リアン氏は、オプション市場からプレミアムを安定的に取り出せば、構造的な売り圧力が低減すると主張。
このアナリストは、オプション・プレミアムを「恐怖と欲望に駆動された局地的なポンプ」と形容。ビットコインの供給上限と矛盾せず、価値を長期保有者に再配分する仕組みと説明した。
総じて、BTCとETHはいずれもコール優勢。トレーダーは反発へのエクスポージャーを維持している。一方で、深いOTMヘッジの規模の大きさが、市場の慎重姿勢を浮き彫りにする。
何十億ドルもの想定元本が期限を迎える中、価格がマックスペインへ収束するのか、それとも隠れた暴落保険需要が的中し、落ち着いた相場のはずが再びボラティリティを呼び起こすのかが焦点。


