ロシア連邦中央銀行は2025年12月23日に、ロシア国内における仮想通貨市場の規制に関する新たなコンセプトを策定し、政府に対して法的修正案を提示したことを明らかにしました。
この新たな規制案は、適格投資家と非適格投資家(一般投資家)の両方が仮想通貨にアクセスできるように設計されていますが、それぞれの属性に応じて適用されるルールが厳格に区別されているのが特徴です。
ロシア中銀は、仮想通貨を依然として「発行者が特定できず、いかなる管轄区域によっても保証されない高リスクな金融商品」と位置付けています。また、価格変動の激しさや制裁リスクについても改めて警告しており、投資家は資金を失う可能性があることを十分に認識する必要があると強調しています。
なお、今回のコンセプトにおいて、ビットコイン(BTC)などのデジタル通貨やステーブルコインは「通貨資産」として分類されており、「資産としての売買は認められるものの、ロシア国内での決済手段として使用することは引き続き禁止する」という方針が示されています。
今回の規制案における最大の焦点は、投資家の知識や経験に基づいた「階層別アクセス権限」の設定にあります。これにより、市場の混乱を防ぎつつ、個人投資家の保護を図る狙いがあります。
ロシア中銀は、ブロックチェーン技術の普及を認めつつも、無秩序な投資が国民の資産形成に悪影響を及ぼすことを懸念しており、以下の詳細な制限を設けるとしています。
ロシア中銀は、仮想通貨取引のために全く新しいプラットフォームをゼロから構築するのではなく、既存の金融インフラを活用する方針を示しています。
これにより、認可を受けた証券取引所、ブローカー、信託会社などは、それぞれのライセンスに基づいて仮想通貨関連のサービスを提供できるようになります。ただし、仮想通貨を専門に扱う「指定預託機関」や「取引所」については、別途個別の要件が設けられる予定です。
また、ロシア国内の投資家は海外の口座を利用して仮想通貨を購入することも可能ですが、過去に購入した資産をロシアの中介業者を通じて海外へ送金する場合も含め、すべての取引を税務当局に報告する義務が課せられます。
さらに、今回の規制はロシア独自のデジタル金融資産(DFA)市場にも影響を与えます。オープンネットワーク上でのDFA取引が許可されることで、発行体は海外からの投資を募ることが容易になり、利用者も仮想通貨と同等以上の有利な条件でDFAを購入できるようになります。
ロシア中銀が提示したロードマップによると、関連する法的枠組みのドラフト(草案)は2026年7月1日までに作成される予定です。
その後、段階的に制度の整備を進め、2027年7月1日からは、仮想通貨市場における中介業者による違法な運営に対して、不正な銀行業務と同等の法的責任を課す方針です。
これまでロシアでは、仮想通貨を全面的に禁止するのか、あるいは容認するのかについて長らく議論が続いてきました。今回の提案は、仮想通貨を「通貨資産」として定義し、既存の金融システムに組み込むことで、アンダーグラウンドな取引を透明化しようとするロシア政府の明確な意思表示と言えるでしょう。
投資家にとっては、法的な保護を受けられる一方で、厳しい投資制限や納税義務が課せられることになります。今後、このコンセプトがどのように法制化され、実社会に適用されていくのか、世界の規制当局からも注目が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ルーブル=2.00円)
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source:Bank of Russia
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