ブレント原油スポット価格は水曜日に5%超急落した。トランプ米大統領がPBSのインタビューで、今後の中国訪問前にも米イラン合意が成立する可能性を示唆したためである。
この下落は、封鎖されていたホルムズ海峡が全面再開されるとの投資家の見方を反映した。ただし、リスタッド・エナジーは、合意が成立しただけでは通常の石油の流れが回復しないと警告した。
トランプ氏は火曜日、米国主導のホルムズ海峡で立ち往生した船舶の護衛作戦「プロジェクト・フリーダム」を一時停止した。同氏は最終合意に向けて進展があったためだと説明した。
合意が成立すれば、イランが濃縮ウランの放棄や核開発計画の一部停止を求められる可能性がある。トランプ氏は、対立が近く終息する可能性も高いと述べた。一方、交渉が決裂した場合は、より大規模な攻撃を再開するとも警告した。
イラン革命防衛隊(IRGC)の海軍は、航行前の事前承認取得を船舶に命じた。承認のない場合は標的とする可能性があるとIRGCは警告した。
このニュースを受けて原油価格は5%を超える急落となり、執筆時点で105.45ドルで取引されている。
海峡付近では約1500隻の船舶が今も立ち往生している。同水路は世界の海上石油取引の約20%を担う要衝である。
リスタッドは、4月の2週間の停戦後、2026年のブレント価格予想を97ドルから87ドルに引き下げた。それでも同社は、現物供給の逼迫が長引くと強調した。
タンカー運賃は依然高止まりし、硫黄分の多い原油の買い手は安全保障プレミアムを支払っている。保険会社も、信頼回復まで湾岸航路のリスク再査定を求めている。
各国のインフラ損傷も制約材料となっている。リスタッドは再建費用を340億ドルから580億ドルと試算する。イランとカタールが最も重い負担を抱える。
このコンサル会社は、合意成立後も物流の平常化には6~8週間を要するとみている。一部の油井は速やかに再稼働が可能だが、湾岸全体の完全回復は第3四半期にずれ込む可能性もある。
米国内のガソリン価格はこの紛争下でも1ガロン4.50ドル近辺で高止まりしている。すでに消費データには需要減少の兆しが表れている。
今後は、テヘランがこの枠組みをトランプ氏の中国訪問前に受け入れるかが焦点となる。